マーケティング Diary

インタービスタ 上野啓子のブログです

Archive for 4月 2015

「ポッキーはなぜフランス人に愛されるのか?」(日本実業出版社)を読みました

2015-04-19 10.36.08

著者の三田村蕗子さんは、流通業を中心に取材するジャーナリストで、現在バンコクに拠点を置き東南アジアに進出する日系企業の取材にも力を入れている人だそうです。
タイトルはポッキーですが、本書ではポッキー以外のたくさんの日本の菓子が海外での販売状況について紹介されています。
ポッキーがフランスではMICADOという名前で大人っぽいイメージで販売されていること、ハイチュウはアメリカのメジャーリーグで日本人選手が食べていたことからアメリカで人気商品となったこと、柿の種は、アメリカでグルテンフリー(小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質を含まない)を訴求したわさび味の濃い商品にローカライズして販売されていること、一方トルコでは柿の種はそのまま受け入れられ大変人気があること。他にはどら焼き、不二家のポップキャンディー、ヨックモックのシガールもすでに海外で販売されて人気商品となっているそうです。
ある菓子は大きく姿を変え、ある製品はそのまま受容されているその背景にはそれぞれの国の味覚嗜好や食文化があり、既存の菓子市場があって、それを踏まえた上でのマーケティング戦略が展開されているんですね。
アメリカではグルテンフリーダイエットなるものも流行中とのことで、そういえば先日新聞でも取り上げられていたことを思い出した。亀田製菓は、米素材をグルテンフリーという価値で米のクッキーやクラッカーに変え、売りだす戦略のようだ。あられやせんべいというカテゴリーのない市場に新カテゴリーを作りだすよりも、その方がハードルが低いという判断なのだろう。
お米が主食のタイでも、米菓が受け入れられるわけではなく、タイでは味がうすくせんべいのような硬いものは好まれない、だから薄くて軽い食感で味のはっきりとした濃い味のスナック菓子をメインに販売するらしい。
日本のお菓子(素材)がこれからも海外に進出し、ローカライズされつつ受け入れられていくといいなあ~と思いました。

Written by intervistatokyo

2015/04/23 at  

カテゴリー: Books

胃袋はひとつ、時間は24時間しかないから

先週先々週と、違う案件でしたが、2週間で10グループのグループ・インタビューを実施しました。
今回に限らず新製品のアイデアを見てもらうプロジェクトの場合、興味あるかどうか、購入するかどうか、どこにその理由があるかを聞いていくわけですが、こういった課題の場合、対象者に「目新しいし、一度は買ってみます」と言われたとしても、それは<一度は買うがそれで終わる>という意味だと読みとらなくてはならない。

また別の対象者が「特徴が○○でいいし、試食(試飲)してもおいしいので、買ってみたいと思った」と言われた場合でも、そこで質問を終わりにせず、必ず「じゃ、これをどんな時に買いたい?」とすかさず聞いてみる。
そこで回答されたオケージョン(状況やこんな時)が、普段よくあるオケージョンならいいけれど年に1回しかないような極めてまれなオケージョンなら、<買う頻度はかなり低い>と読みとらなくてはならない。

さらに「では、この○○を買うような時には、今までだと何を買っていましたか?」と代替品が何であるかを聞く。
いくらターゲットの人が「これまで買っていた何かの代わりに買うのではなく、これはこれで新たに買います」と言ったとしても私は疑う。
胃袋は一つ、そして時間は24時間しかない。行動パターンって意外と変わらないもの。だから急に何かをあらたに買い始めるということは極めてまれ。
これまで買っていたものを上回る価値がなくてはその胃袋のスペースはとってかえられない。
オケージョンも、同じ。その人の持っている時間も24時間しかなく、その人が起こす行動パターンはある程度ルーティーン化しているので、その人にとってそれ相応の価値が見出されないと日常のルーティーンを変えさせることは出来ない。
だから、どんな時に?と聞くことが大切です。
そうやってひとつひとつ確認し、その人にとって新製品の価値が、具体的な生活の文脈で見出されているのかを探ることが必要です。

Written by intervistatokyo

2015/04/18 at  

健康ニーズは複雑怪奇

先週は夜のインタビューが毎夜続いたので、さすがに週末はゆっくりして体力回復。
私自身、夜のインタビューが4日も続くと、夜の食事時間も変わっちゃうので体調に影響あるなあ~と感じています。
食品や飲料や嗜好品などの商品選びにおいて、健康ニーズはもはやだれでもが感じていることなんだけれど、それをどう聞くかはかなり難しい。
私も朝は、グラノーラ(お気に入りは近所のパンやさんが焼いた手作りグラノーラと宅配で買っているものをミックス)をヨーグルトに入れてイチゴやバナナと一緒に食べます。
その時になんとなく身体にいいし、噛み応えもあっておいしいから食べているけれど、それが「どんな風にいいの?」「どう身体にいいの?」と私が聞かれても答えられない。私の健康意識は非常に漠然としているから。
自分で人に聞いていても、いや~これ答えにくいだろうなあ~と思いつつ聞いています。

朝食、昼食、おやつ、夕食、夜食ではそれぞれ健康に求めるレベル感も違うし。商品のカテゴリーごとに求めるレベル感も違うでしょうし、トクホと普通の商品とでも効果効能への期待レベルは違いますし。
話を聞いていくと人は、「どうせなら身体に良さそうなものの方を摂っておいた方がお得だし・・」「なんか最近違うかも?ぐらいのちょっとした効果が感じられたらそれでラッキー?」ぐらいの期待感で選んでいる場合も多く、これは健康意識と呼んでいいのかどうか。単なる物珍しさなのか?とますますわからなくなります。

健康ニーズの上位にある心理的ベネフィット(これをとっているとどういう満足感があるのか⇒実際に効果が感じられても感じられなくても、、)というところが本人にも意識化されていないから難しいのですよね。ひとりごとになってしまいました・・・。
みなさんどうやってクリアにしているのだろうと思いつつ、、悩み続けます。

Written by intervistatokyo

2015/04/11 at  

「子供の貧困~社会的養護の現場から考える」池上彰編(ちくま新書)

2015-04-01 11.06.50

本書を読んで、児童養護施設が地域の心優しく志ある個人の善意によって運営され、それは時に個人的な私財をつぎこんで経営し、人生をかけて社会的養護という役割を担おうとするとても尊くありがたい施設だということがあらためてわかりました。
そこにきている子供たちの背景も複雑で、親の死亡、行くえ不明、失業、離婚や病気、育児放棄、DVなど理由は様々であり、この15~16年で社会的養護の必要な児童はますます増えており、今や6人に1人の子供が貧困水準で生活しているとも言われているそうです。
18歳になると児童養護施設から出て自活しなくてはならず、それからもまた大変な道のりであることがかかれています。
孤独におちいることなく、仕事につきそして自尊心をもちながら、また心の傷もかかえつつ生きて行くのはしんどい道のりだろうと想像しますが、巣立った後でも児童養護施設の施設長さん(ご夫妻)が温かく自立への道を助走しているさまに心打たれます。

Written by intervistatokyo

2015/04/05 at  

カテゴリー: Books