マーケティング Diary

インタービスタ 上野啓子のブログです

「脳はなぜ『心』を作ったのか」(前野隆司著)を読みました

2016-06-27 08.42.16

最近、AI(人工知能)についての記事を目にすることも多く、ロボットに心や意識が宿るのかについて私も関心をもってみています。この本は2回読みました。1回目は夢中で、2回目は蛍光ペンでハイライトしながら。

著者は、すでに小学校低学年で「私とは何だろう」「死んだら自分の心はどうなってしまうんだろう」ということを考えて眠れぬ夜を過ごしていたそう。
その後大人になり、ロボットの身体の成り立ちを研究する過程で、心はどんな風に運営されているかを考えたときにおそらくこういうことではないかという彼の仮説を説明したのがこの本です。
とにかくわかりやすくて、ああ~そういうことだったか、そう思わざるを得ないなと納得した箇所がたくさんありました。
例えばこれまで暗黙知という概念でとらえていたようなことも、神経回路のなせる技「非言語的記憶」だったんだと思えましたし、無意識という概念も神経回路がせっせと活動してくれているその仕事の結果なのだと思うと理解できた気がします。
そして「私」がすべてを川上からコントロールしているわけではなく、川下で起きた結果を自分がやったことだと錯覚しているという著者の提示する「心の地動説」は、斬新。東洋的でもありながら、刺激的。
私も小学校高学年で奈良の石舞台古墳を家族で見に行ったときにふと著者と同じように「死んだら自分ってどこに行くんだろう」を考え、そのことについてクラスの友達と話したりしていました。それが自我の始まりだった気がします。
あれからうん十年、脳科学やロボット研究の進歩によって、人が自分たち人間をどう見て、どう理解するかについても変わってきたことを実感しています。

著者は心をもったロボットは数十年後には作れると断言していて、一方ロボット工学の研究者のほとんどは心をもったロボットができるのはまだまだ先と考えているという。
いずれにしてもロボットの個性(アルゴリズム)を設計するのは少なくとも最初は人間なので、そこが問題。
倫理観や法の整備など技術革新にはいつもつきまとうことで、そこがちゃんとできるかが心配です。

Written by intervistatokyo

2016/07/03 @  

カテゴリー: Books