「誰もが人を動かせる!」森岡毅著(日経BP社)を読みました

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森岡毅氏の著書は、3冊目。どの本でも熱い語り口にグイグイ引き寄せられますが、今回もそうでした。
リーダーシップは先天的なものではなく後天的に身に着けられるスキルであるということをP&Gの研修講師時代、そしてUSJをトップでV字回復させた体験から、解説。リーダーシップとは人を本気でやる気にさせ、弱いところを補いあうようチームを作り、目的のために戦略的に動けるようにすることと説いています。
森岡氏は子供の頃は実はコミュニケーションが苦手だったそうで、社会人となった若い頃の苦い体験を吐露されている「第7章:私自身の悪戦苦闘のリーダーシップ」は読みごたえがあります。どうしても優秀だと自分で全部やってしまい一匹狼になりがちですが、人を活かし、人と一緒にやっていくことの大事さに気づいてからは変わっていかれたようです。
今は、ご自身の会社を創業しクライアント企業のサポートをされていますが、創業メンバーとして頼みこんだのが、質的に消費者を洞察していく能力に秀でた女性のプロダクトマーケターで、彼女をP&Gからご自身の会社に創業時にヘッドハンターしたと紹介しておられます。森岡さんと言えば、定量的&確率思考的に分析し戦略を作成しているイメージですが、それを相互補完し支えている質的分析のプロフェッショナルが社内におられることを他人ごとながら嬉しく感じました。
また森岡氏はP&G勤務時代に海外で子育てもされているため、日本の教育にリーダーシップを育てる教育が欠如していると指摘されています。考えずにおとなしく従うことを優先する教育だったと私も感じていますので、同感です。
新年、ちょっと元気になる本で、コロナ禍でもチャレンジ精神を忘れずいきたいと思います。

「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン著(新潮新書)を読みました

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先週は、1月~2月のweb調査やインタビュー調査の件でオンラインでの打ち合わせをいくつかしました。東京は、2回目の非常事態宣言が発動。医療関係者の人達のためにも感染を少しでも抑え込みたいところです。
コロナ禍での在宅中、パソコンやスマホなどのネットに触れる時間が増えているように感じます。
この本の著者、スウエーデンの精神科医はスマホが脳に与える影響を強く訴えています。触るたびに脳にドーパミン(報酬系物質)を放出させるスマホは、常に気になる存在となってしまっている。そのため集中力が欠如し、記憶力も低下、睡眠の質までもさげているというスマホ。大人だけでなく、スマホ以前の世界を知らない子供たちにとっては、学習能力にまで影響を与えています。だからジョブズは自分の子供に与えなかったのか、、、、。
スマホを常に目の前に置いておくのではなく、見えないところに置くだけでも本来すべきことへの集中力が違ってくるそうです。SNSなどによって子供たちの幸福感や自己評価も下がっているということ。
スマホの依存性をしっかりと意識することで、よりストレスのない適度で健康的な使い方ができる。それを考えてみようという著者からの提案、私も意識してみようと思います。

紅葉と新蕎麦

研修も終え、ひと段落しましたので、連休を使って八ヶ岳に行ってきました。標高1300メートルぐらいのところはすでに紅葉していました。楽しみにしていた新蕎麦も味わって、大満足でした。
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そして、いよいよです、アメリカ大統領選。
「マインド・ハッキング」(新潮社)クリストファー・ワイリー著という本を読んでいます。選挙のための戦略をコンサルティングするケンブリッジ・アナリティカという会社にいた元社員の告発本です。
フェイスブックなどの膨大な情報で特定のターゲットに特定の情報を流し続けながら、感情を扇動し、誘導しながら投票行動を戦略通りに仕向けます。こんな風にしてアメリカの分断は作られてきたのか、と驚くばかり。アルゴリズムによって見たいと思っている期待通りの現実を知らないうちに信じ込まされているのが恐ろしい。
今日でまだ半分読んだところなのですが、読み終わる前に大統領選の結果は判明するでしょうか。

「食の歴史」ジャック・アタリ著(プレジデント社)を読みました

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Stay homeのゴールデン・ウイーク。食品の買い物と散歩以外、自宅におりました。
身体がなまってきたな~と感じてきた頃、バレエの先生の提案でZOOMによるストレッチクラスにお誘いを受けたので、参加してみましたが、これでかなりスカッとしました。
仲間と画面上で会えたのもうれしくて、リアルでも早くまた会いたいなあ~との思いが募りました。

さて、本の話ですが、仕事上での興味もあって、先月からこの本を読みはじめ今日読み終えました。
人類が何を食べてきたのかについて、驚きのことばかり。人類ってカニバリズムもしていたのか、ガーン。
今我々が食べている多品種の食材は、長い年月をかけて人類が多種栽培してきたものですが、生産効率重視のために化学肥料を使い、遺伝子組み換えまでし、食肉飼育のためには(特に牛)大量の飼料と水を使っており、地球に悪影響を与えている。人口増加が進むと地球環境はさらに悪化していく。まずいです。

アタリ氏は、また現代の食し方にも警鐘を鳴らしています。食卓で人と人とが会話しながら、ゆっくりと食に集中して味わなくなっており、スマホ画面を見ながらささっと済ませてしまう傾向は世界的な傾向と言います。
後半でアタリ氏は、2050年の食の未来予想をしていますが、これがまた恐ろしい。予想のうちおそらくそうならざるを得ないだろうなと思える予測と、そこまで行くかと驚き信じたくない予測とがあって、考えてしまいます。
しかし、今後どうすべきかについてもアタリ氏は具体的に提言をしていますので、世界の食に関わる企業には、しっかりとした取り組みが求められます。

「食べることの進化史」石川伸一著(光文社新書)を読みました

 

2020-01-27 19.19.15(Kindle版電子書籍を購入)

食事について、食品についての消費者の声を聴いていると「食べること」について色々と考させられます。

これから食事はどうなっていくのだろう、と思うこともしばしば。
2月のワークショップのために、視野を広げておこうとこの本を手にとってみました。
いやあ~これを読むと3Dフードプリンターやら、人工培養肉、植物工場、そして昆虫食まで?
想像を超えており、こんな風になっちゃうのでしょうか。
人工培養肉については、家畜の飼育は環境負荷が大きいのでそうならざるを得なくなっていくのかもしれません。
大豆ミートなどの代用肉はすでにもう市場に出ていますし、必要な人や食べたい人がいると思います。
「食べる」ことは機能(理論)だけでなく心理もあるので、理論だけですぐに新しいものが受容されるわけでもないので、簡単に予測できませんが、地球環境は悪化しているし、人はより簡便性を求めるし、、。
人が食することで感じる喜びみたいなものは、変わらず求められ続ける気がしますが、食材の”ありがたみ”みたいなものはどんどん感じられにくくなっていくのかもしれないと思いました。

「ルース・スレンチェスカ」94歳のピアノスト(平凡社)を読みました

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先週末に風邪をひいてしまい、今週はインタビューはなかったのでなんとか打ち合わせやビデオ会議完了できました。
熱は下がったのに咳がなかなか抜けずやっかいな風邪。この土日は予定をかえゆっくりして体力回復しています。

そんな時、元気が出る本を読みました。50代になってピアノを再開した友人が紹介してくれた本です。
94歳のピアニスト、ルース・スレンチェスカ。私は知らなかったのですが、昨年サントリーホールでコンサートされていたのですね~。教育熱心すぎる激しいお父さんとの確執や、演奏家としての10年のブランク、再婚した最愛のパートナーを亡くし空っぽになってしまった経験、演奏で心を届けるということ、音に思いを乗せるということなどなど94歳のピアニストからの温かいメッセージがたくさん詰まっています。

来週も7~8月の調査の準備などで打ち合わせや書類作成ですので、気をつけながら身体をもとに戻したいです。

「学校の”当たり前”をやめた。」(工藤勇一著)を読みました

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市ヶ谷駅前の書店で目につき買ってみました。麹町中学は、前を通ることもあって普通の区立中学かと思っていましたが、こんなすごい改革を実行していたとは、びっくり!
この学校、宿題もクラス担任制も、中間・期末テストも廃止したんですね。
著者の工藤勇一校長が、学校は何のためにあるのかという問いに立ち返って、目的と手段をとり違えないよう討議し、これまでの制度をあらためて見直し、変えていった経緯がこの本でわかります。
目的は何で、そのために何をしたらいいのかを考え抜くことで、改革に対して周囲の納得も得られて実際効果が出て好循環となっているのだと思いました。中間・期末テストでなく単元が終わるごとに単元テストを実施しているそうです。
またこの中学では、KJ法を使って学生同士が討論する方法や、手帳やノートの取り方をその道の専門家を招いてレクチャーしてもらったり、大学生や外部の指導員に来てもらってアフタースクールの活動を企画したり、とにかく学びの幅が広くて楽しそう!
開かれた学校であり、コミュニティや卒業生ともつながっている様子がわかります。
学校に限らず組織でも、企業でも、同じことだなと思いました。
目的と手段をとり違えない。トップが柔軟な意識をもつ。当事者として皆が参加し自由に討議を重ねる。
これまで通りでいい、変わらない、変えられないと思ってしまったら結局何も変わらないのですね。

本とはまったく関係がありませんが(笑)、5月にベランダで咲いた花の写真をアップします。
白いユリと赤いアマリリス(左の写真)は、今年次々と花が咲きました。
右の車輪梅(シャリンバイ)は、鳥の落とし物から芽が出て大きくなって今年ついに花まで咲かせました。
この他にゼラニウムも枝を切って植え替えたら、もう新しい枝から花がついて咲いています。

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「観光亡国論」アレックス・カー&清野由美著を読みました

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長く同じ町に住んでいると、この変化はまずいなと思うことがあります。誰のための開発なのかと思うことが。
また、昨年秋に京都に行き錦市場の様子が変わってしまいびっくりしたこともあって、この本を手に取りました。
観光は、住んでいる人にとってプラスになるように「マネジメントし、コントロールする」ことが必要だと著者は、説いています。”オーバーキャパシティ”は避けなくてはならないですし、「数のツーリズム」ではなく「質のツーリズム」を追求すべきだそうです。
そのために、海外からクルージングで大型客船が小さい島(奄美のような)に押し寄せ、結局どこにでもあるようなショッピング施設が出来て、島の自然を破壊して、、利を得るのは、開発会社とクルージングを運営する国や企業だけになってしまうということがないようにと警鐘をならしています。
そのためには、観光エリアに入る人の数を制限したり、少し高めの料金を設定してうまく観光客の人数をコントロールすることも必要で、実際にそうしている国(イギリスやイタリア)や地域(石見銀山)の事例もあげています。
結局は住民が、自然の景観やその土地の大事なものを守っていけるように考えていかなくてはならない気がします。

「ふつうのおんなの子のちから」中村桂子著(集英社刊)を読みました

2018-12-20 10.42.10

年の終わりに、とてもいい本に出会えました。
JT生命誌研究館館長の中村桂子さんが書かれた、とてもわかりやすくて共感できる本です。
「ふつうのおんなの子のちから」は、年齢問わず、そして男性にもあるといい力です。
本を読むと、その力とは競争、権力闘争、拡大志向、果ては戦争につながる武力強化につながる力ではなく、「身近な暮らしの中から自分自分の言葉で考えて納得して暮らす、そして日々の暮らしと日々の幸せを感じることのできる力」の比喩ということがわかります。
この本がユニークなのは、「生命誌」という新しい知の体系を構築した著者が数々の童話に登場する女の子達の言葉から「ふつうのおんなの子の力」を説明している点です。
「あしながおじさんのジューディ」「長くつ下のピッピ」「若草物語のジョー」そして「虫めづる姫君」などなど。

特に、”あしながおじさん”に書いたジューディのこの手紙は、心にグサッと刺さりました。
抜粋させていただきます(45ぺーじより抜粋)
「・・・たいがいの人たちは、ほんとうの生活をしていません。彼らはただ競争しているのです。地平線から遥かに遠い、ある目的地(ゴール)へいきつこうと一生けんめいになっているのです。そして一気にそこへ行こうとして、息せき切ってあえぐものですから、現にじぶんたちが歩いている、その途中の美しい、のどかな、いなかの眺めも目に入らないのです。そしてやっとついたころには、もうよぼよぼに老いぼれてしまって、へとへとになってしまってるんです。ですから、目的地へついても着かなくても、結果になんの違いもありません。私は、人生の大作家になれなくっても、人生の路傍に座って、小さな幸福をたくさん積みあげることにきめました。・・・」
いいですよね~。

「生命誌」という新しい知の体系を築かれた中村桂子さん。人間も自然にある生き物の一つ。だから多様性の中にあって人間だけが上から目線で自然を管理するのではなく、多様性を楽しむ「中から目線」で生きることが大事と説いておられます。地球を人間のエゴで利用し尽くしてはいけないと私は理解しました。
1936年生まれの著者は、1945年の終戦時は9歳。東京の家は空襲で焼けてしまったそうです。尋常ではない戦争がなぜ起こるのか。今も地球上で戦争は続いている。そして、武器拡大が今も進んでいる。戦争阻止のためには「ふつうのおんなの子の力」で考え続けることをしてほしいというのが著者のメッセージと私は受け止めました。

もともと、等身大で肌感覚でわかる仕事がいいなと思っていた私は、普通の人達の生活や暮らしの考え方を聞けるインタビューにはまりました。マーケティングといっても、あくまで企業目線ではなく、消費者(生活者)視点が面白く仕事を続けてきました。
ともすると企業の巨大な力に飲み込まれそうになることもありますが(笑)、2019年は、あらためて消費者(生活者)視点にたったマーケティングを意識したいと思っています。

「戦略インサイト」桶谷功著(ダイヤモンド社)を読みました

2018-08-22 09.41.34

著者の桶谷さんとは何度かおめにかかったことがあって、海外でのワークショップもなさっておられると伺っていましたので、この本、夏休み中に楽しみに読ませていただきました。
第3章のグローバル・インサイトワークショップの実施前の準備や留意点がとても参考になりました。
3月にタイに行く前に読んでいればあんなに悩まなかったかもしれないとすら思いました。
でも9月にも行きますので、さらに準備をして推進したいと思います。
中国での家庭訪問、インドでの店頭観察など、具体的な事例も興味深く読みました。

そして、第4章で述べておられるように全社で部門横断的にマーケティングに取り組むための地ならしがいかに大事か、ここが一番難しいところです。さらに自社でメソッドを作りそれを浸透させるところまで持っていくことが最終理想形ですね。
しかしながら最初はそこまでいけなくても部門横断的なプロジェクトチームではじめることも可能だとのこと。
また海外事業部は、チャンスが大きく、海外市場からスタートして最後に日本も世界の市場の一つとして変わるようにするのが現実的なのかもと書かれていて、ここが一番私としては意を強くしました。日本の市場に対しても、まったく知らない海外の市場をみるような目で観察していかないと、革新的な新しい商品は創れないと思うからです。