マーケティング Diary

インタービスタ 上野啓子のブログです

Archive for the ‘Books’ Category

”欲望する「ことば」 「社会記号」とマーケティング”を読みました

2017-12-17 15.31.20

流行語大賞が発表される師走の時期。
1年ですぐに消えてしまう言葉ではなく、数年以上定着している言葉や概念(女子力、草食男子、できちゃった婚、断捨離、おひとりさま、加齢臭などなど)を社会記号と著者が呼び、それらを分析している本です。
社会記号には8つの機能があるという分析と、社会記号を生み出す4つの社会的要請の説明が印象に残りました。
これまでぼんやりと(潜在的に)人々が感じていた兆候や社会現象に、社会記号(名前)がつくことでそのことが注目され、その言葉によってそういうモノの見方が頭の中にセットされ、そのような現象や行動が容認されたり、追随しようとされたり、逆に恐れを感じたり、拒絶感が出てくることもある。
言葉ができた後に、その言葉を作った人の意図とは違う意味が付与されてしまうこともある。
そういう意味で記号だということなのですね。

今週は、これから年末に実施する調査の準備と来年の研修のための会議をします。あっ、年賀状も、書かないと~。

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2017/12/17 at  

カテゴリー: Books

「消せるボールペン」30年の開発物語(小学館新書)を読みました

2017-11-12 14.39.26

世界で累計10億本以上も売れたパイロットの消せるボールペン「フリクションボール」の開発物語です。
フリクションは私も使ったことがありますが、まさかこんなに紆余曲折を経ていたとは思いもよりませんでした。
そもそも、この技術、メタモカラーという温度によって色が変わるインクを開発したことからスタートしています。
最初は、その技術を人形(髪の毛の色がドライヤーの熱で変わったり、温度の違う布で顔を拭くとメイクが出て来たり消えたりするなど)に応用し、玩具で利益を上げていき、時間をかけてペンの開発につながっていくのですが、当初は色の変わるペンへの応用でした、ところがあるとき、ヨーロッパの社長の一言、「ある色から別の色に変えるのではなく、ある色から透明にはならないのですか」がきっかけとなって”消せるボールペン”が誕生したとのこと。
なぜならフランス人の社長は、フランスやドイツでは子供が学習にペンや万年筆を使っており、この消せるペンはあらたな価値となることがわかっていたので、これは行ける!と思ったようです。
一つの技術(熱で色が変わるメタモカラー)が形を(玩具やカラーペンへと)変えながらしっかりと利益も出しつつ、さらに開発をすすめ、開発メンバーのあきらめない気持ちが最後には”消えるボールペン”として結実したわけです。
消せるボールペンを確実に求めている人(ドイツやフランスの学生)を知っている人(ここではフランス人の社長)が社内にいたことが僥倖でした、製品を強く求める人(ターゲットの思い)がしっかり具体的に見えているということはとっても大事ですね。

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2017/11/19 at  

カテゴリー: Books

「裸でも生きる」(山口絵理子著)講談社刊を読みました

ハワイから友達が来ていて、一緒に谷根千巡りをしました。
根津の「釜竹」で釜揚げうどんと副菜をいくつか頼んで食べ、その後、へび道をそぞろ歩いていたら「亀の子たわし」の直営店があったので寄ってみました。お店の若い女の子がものすごく熱く沢山の商品の特徴を教えてくれ、身体にも使えるということなので、棕櫚(しゅろ)のたわしと白くて丸いたわしを買ってみました。製品に深い愛情をもって説明してくれるとそれが伝わって買いたくなる、そう思いました。
そして谷中銀座の「和栗や」でモンブランをいただき、谷中銀座をさらに歩いていたら、友達が「あ、このお店”カンブリア宮殿”で紹介されてた」と知っていて、その「マザーハウス」というお店に立ち寄りました。
製品はすべてバングラディッシュで作られたバッグやストール、革小物などで、店頭には若い社長の本がありました。
友人は、店頭でいろいろ手にとってみてバッグを購入。私は、帰宅後、本を注文。
2017-11-04 10.30.14
学校時代の悔しい思いや、それをエネルギーにして突き進む彼女の体当たりのバングラディッシュでの体験には圧倒されます。おそらく”開発学と経営を学んでスマートに起業したのかな”という私の想像とは全く違う、当たって砕けろ精神で数々の失敗や失望経験にもかかわらず、毎回それを一つずつ乗り越えていく人でした。
バングラディッシュで信頼できる工場やパートナーを見つけるまでの苦労はさらに想像を超えていました。
若い人がこんなに頑張っているならば、我々だって頑張らなくっちゃと思えます。

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2017/11/04 at  

カテゴリー: Books, 行ってみました

「人工知能~人類最悪にして最後の発明」(ダイヤモンド社)を読みました

2017-07-20 18.25.23

ジェイムズ・バラットというドキュメンタリー番組のプロデューサーが書いた本なので、センセーショナルな表現も多いのですが、発明家のレイ・カーツワイル、SF作家のアーサー・C・クラーク、その他たくさんのロボットや人工知能の開発者に取材し、これから加速度的に早いスピードで進むAIや超AIの開発によっていずれAIが人類を滅亡させてしまうのでは?と危惧し、かなりの悲観論を展開しています。

読んでいると怖くなります。信じるかどうかは、別として、AIはもうすでに我々の生活に入ってきており、それがものすごいスピードで今後ますます進化し続け、ある地点を超えると、AI自身が自ら生き残るための戦略をたて自己進化し、自らのプログラムを改良して能力を高め例え人間が電源を切ろうとも、すでになんらかの対策をたててそのときはすでに遅し、、ということになるようなんです。怖いですよね~。ターミネーターのような世界になる?
人間よりはるかに賢い”超AI”がどうなっていくのか開発者ですら、ある地点から理解も予測もできなくなってしまうようなのですね。
読んでいて難しい箇所も多々ありましたが、あたかもSFを読むような気持で読んでいました。
2045年、今から28年後ぐらいには人工知能が人間よりはるかに賢い世界になっているようなのですが、私の年代にとってはそのときの世界がバラ色の世界なのか悲観論者の予測するような世界なのか、その時まで生きていたいような、それも怖いような。
そのころの地球、どうなっているのでしょうか。ヒューマン・フレンドリーな鉄腕アトムのようなロボットをイメージしてきた我々世代にとっては、なんとかフレンドリーなAIをちゃんとプログラムして開発してほしいけれど、もはやそんなことは出来ずひたすら暴走してしまうのでしょうか。
あとがきには、スティーブン・ホーキング博士もビル・ゲイツも今では人類はAIによって滅びてしまうという悲観論をとなえ警鐘を鳴らしているとあります。警鐘が届くべき人達に響くことを祈るばかりです。

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2017/09/02 at  

カテゴリー: Books

「武器輸出と日本企業」望月衣塑子著を読みました

2017-06-28 11.24.10

菅内閣官房長官の会見で鋭く突っ込んでインタビューしていた人は、東京新聞の女性記者だということを知って、著書を読んでみたくなりました。お子さんも二人いて、頑張っている現役記者でこれだけの情報量を取材し本にまとめるのは大変だったことだろうなと想像しながら読みました。

武器ではなく「防衛装備品」というマジックワードや、「デュアル・ユース(民生技術を軍事でも使う)」という曖昧ワードのもとに、武器開発が日本の大学、企業で行われ、そのための開発費が巨額投入されている事実に驚きます。
デュアル・ユースなんだからという気持ちもあって企業も大学も罪悪感が薄まる。武器輸出三原則が2014年に見直され、輸出容認となってしまってからは、この傾向がますます進んでいるようです。
しみじみ、戦争はなくならないわけだ、なぜならビジネスだから、だから絡んでいる企業も大学も抜けられないほど大きな産業になっているからなのですね。
災害救助ロボットの開発技術であったとしてもそれが軍事に転用されることだってありうるわけです。
要は、科学技術を応用する人間の考え方次第ということですね。日本の大学もアメリカ軍の資金提供を受けて行われるロボット開発大会への学生の参加を認めるべきか、そこで開発された技術が軍事に反映されないのかなど危惧やとまどいも大きいとのこと。
一般市民も「防衛装備品」や「デュアル・ユース」などの仕掛けられた言葉に惑わされず、裏に隠された意図をしっかり読まないとだめなんだと思いました。

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2017/07/01 at  

カテゴリー: Books, 気になりました

「技術者のためのマーケティング」~顧客価値の構想と戦略~を読みました

2017-06-11 14.28.51

著者の谷地弘安先生(横浜国立大学大学院教授)は、ある企業の研修を長年監修実施しておられ、数年前にお誘いをうけ、私もその研修プログラムの「価値を探す」リサーチ部分の講師をさせていただいています。
「モノ発想」ではなく「コト発想」でマーケティングすることがいかに大事か、ついつい作り手が陥りがちな「モノ発想」ではなく、顧客の生活現場や顧客自身を深く知ることが大事であることを事例を使って説明しておられます。
第4章「顧客価値を探す」では、上野の著書も参考文献に入れていただいています(感謝)。
谷地先生が書いておられるように、私も普段ユーザーの利用現場に入って観察したり、商品を利用してみて、まずは、リサーチャー自身もユーザー視点に一度たってみる。そうすると問うべきことが浮かんできます。
さらに、先生が書いておられるヒアリングの際の見える化の重要性についても同感です。
私もインタビューの場で対象者の言葉をポストイットなどの付箋紙に見える化しながらすすめることも多い。
デプス・インタビューであれば、語ってくれた言葉を目の前に書き出していく、グル―プ・インタビューであれば、最初に問いを投げかけ、思いつくことを対象者の言葉で思い思いに書き出してもらってから、それらをホワイトボードに貼っていきながらそれをもとに討議する。
会話が他人ごとや抽象論にならない、みんなが語ってくれたことがどんどん見える化される、そしてそれがさらなる刺激となって、また討議が活発になる。写真撮影して保存もでき、とても有意義な討議となる。
何より、クライアントが見ていても、ユーザーが自社の製品やサービスについて普段感じていることが目の前でどんどん言葉(と文字)になって出てくるので説得力もあるように思います。

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2017/06/11 at  

カテゴリー: インタビュー, Books

「たたかう植物~仁義なき生存戦略」(稲垣栄洋著)を読みました

2017-03-17 10.42.44

著者が、Eテレの「SWITCHインタビュー達人達」で雑草について話していたことが、すごく面白く興味深かったので、買ってみました。
雑草は踏まれたり、草むしりされることでかえって種子に光があたって発芽しやすくなる。
かって実家の草取りを手伝った時に雑草のしつこさ、生命力になすすべなくうなだれていた私はこの稲垣先生の説明、雑草の生きる戦略にいたく感動したのでした。
本書では、雑草についてというよりも植物全体の生きるための、めくるめく、賢い戦略について説明しています。
自然界とは相互の戦略で一人勝ちせず、お互いにある程度負けたり与えたりしながら生きていくための戦略に満ちた世界であることが良くわかります。著者の表現も楽しくて、あっと言う間に読んでしまいました。色んな植物の戦略がわかって面白い!

植物と菌との戦いではある程度侵入されることをよしとして、共に歩む道を選択したし、植物と昆虫との戦いにおいては、花粉が食べられるのを防ぐだけでなく花粉を昆虫に運ばせることで子孫を残す道を作ったし、植物と動物との戦いにおいても、果実を実らせることで動物や鳥に餌として食べてもらい、そのうえで種子を運んでもらったわけですね。

Written by intervistatokyo

2017/03/17 at  

カテゴリー: Books